「奈良セブンの森」整備 vol.2

2024年10月12日(土)に、陽楽の森で「奈良セブンの森」整備活動が開催されました。

「セブンの森」事業とは、日本の四季折々の美しい自然や貴重な生態系を次世代に引き継ぐために、産官学民が連携した地域一体型の森づくりを行うもので、陽楽の森は奈良県内では初の認定地となっています。

2023年6月29日に、一般社団法人大和森林管理協会、上牧町、王寺町、近畿大学農学部、一般財団法人セブン-イレブン記念財団の5者により、生物多様性の保護や地域活性化を趣旨とした「セブンの森」事業に係る連携協定が結ばれています。


風は涼しいけれど、日差しが暑い日です。午後開始に向け、参加者の方々がぞくぞくと集まってきます。この日は関係者・スタッフ含め、総勢151名もの方がご参加くださいました。

この整備会に至るまでにも、作業道の整備や作業場所のチェックなど、事前準備が「山」のようにありました。せっかく参加いただく皆様が怪我なく、効率よく作業できるよう準備が肝心です。

簡単なご挨拶ののち、まずは恒例のラジオ体操からスタートです。

この人数でのラジオ体操はやはり圧巻です。

今回のプログラムは以下の3つです。事前にお好きな参加プログラムを選んでいただきました。

1. 竹林整備
2. 大地の再生(土中環境改善)
3. 子ども向けWS(木に名札をつけようツアー)

準備体操やプログラムの説明も終わり、大人数での移動となるためグループ毎に別れてそれぞれの作業場所へ向かいます。


1. 竹林整備

こちらでは、森の奥に膨大に生えている竹の運搬、チップ化作業を行います。グループのリーダーの指示に従い、各々作業に取り掛かります。フォレスター、奈良中央信用金庫の方、大学生、地域の方など入り混じっての大作業です。

竹林整備チームは、さらに2グループに分かれていて、この辺りはやや高台エリアのAグループです。

運搬効率アップとチッパーに突っ込むために、伐採済みの竹の枝葉を落とし、長すぎるものをカットしていく作業です。その後、竹をバケツリレー方式でチッパーの場所へ運んでいきます。

こちらがゴールのチッパーです。粉砕された竹が日光にきらめいて美しい光景に見えますが、現場は爆音と大量に粉が舞っていてかなりキツイ作業です。一時チッパーが詰まるトラブルも有りましたが、プロたちの手ですぐに復旧し、どんどん竹が粉砕されていきます。

こちらはもう少し奥地のBチーム。作業内容はAチームと同じで、伐採された竹をチッパーに運搬します。こちらの方が足場が悪いせいか、なんとなく屈強そうな方が多い印象です。

Bチームのチッパー

そしてさらに奥に進むと、実はもう一つ別働隊がいます。

こちらの別班(BEPPAN)は、無煙炭火器を用いて竹をどんどん燃やしています。玄人たちが集まっているチームで、一見火が危なそうに見えますが、防火準備は万端ですのでご安心ください。

実はここ、火のそばなので暑さはもちろんですが、火の番で気が抜けないこと、銃声のような竹の破裂音が鳴り響くことでなかなかハードな作業場です。


2. 大地の再生(土中環境改善)

さて、少し麓の方に戻り、こちらは陽楽ではおなじみ、大地の再生(関西支部)の西尾さんをリーダーとした「土中環境改善」チームのエリアです。道脇などに溝を作り、水や空気が流れやすくすることで土中の環境をより良くしていきます。

まずはこんな感じで溝を掘り、竹炭を撒いていきます。

次に枝を適度な長さに切ったり、折ったりしながら、溝に詰めていきます。空気の層を意識しながら並べていくことがポイントです。この辺りは草刈りも終わって平坦なエリアなので、作業はしやすそうですね。初めての方でもさくさくと作業を進めていきます。

ちょっとした作業に見えますが、これだけでも大きな環境改善になるとのことです。


3. 子ども向けWS(木に名札をつけようツアー)

こちらはスタッフも癒やされる、子ども向けの木の名札つけツアーです。まずはスタート地点のツリーデッキを目指します。

元気すぎるこどもたちは、早速ツリーデッキを探検です。道中でも、栗や葉っぱなどどっさりとお宝を収集していました。

木の名札(STUDIO MITZ制作)

今回は、ツリーデッキをスタートとし、ぐるっと麓までを回って帰ってくるコースにある、31本の木に名札をつけていきます。

コナラ、サクラ 、ヒサカキ、オニグルミ、ナンキンハゼ、キリ、アカメガシワ、コバノガマズミ、ツツジ、ヒノキ、ネジキ、クリ、クロモジ、クヌギ、シャシャンボなどなど、聞いたことがあるものも、全然知らないものもあります。こんなに多様な樹種が生えているのかと驚きます。

子どもも大人も協力して木に名札をつけていきます。木によって幹の太さが全然違うので、大きなものは少し大変です。ただつけるだけではなく、グループリーダーから簡単な木の説明もありました。

例えばこの「アオハダ」という木、樹皮をめくると「青い(緑)」んです。だから「アオハダ」と。ほえ〜。

約1時間半くらいかけて、スタート地点に戻ってきました。子どもたちはまだまだ元気そうですが、大人の方は少し疲れが見えます。

少し時間があったので子どもたちと森の中で遊んでいましたが、15:00をまわったところで全体の作業が終了となりました。さて、下山しましょう。


参加者全員が麓に集合し、閉会式が行われます。

参加した子どもたちが表彰されています。微笑ましい。

憎き蚊もまだまだ多く、大変な作業も多かったですが、無事に整備を完了することができました。陽楽の森はこれでまた一つ良い森に変わったと思います。疲労は見えつつも、みなさん終始楽しそうに作業されているのが印象的でした。

ご参加された方々、準備スタッフの方々含め、本当にお疲れ様でした!!!
次回は2025年4月を予定されているとのことなので、興味を持った方はぜひご参加ください!!!

この記事を書いた人Writer

陽楽放送局編集部
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富田 淳

Tomida Jun

生まれの香川を飛び出して気付けば京都で17年、そして奈良へ。STUDIO MITZとして活動しながら、フリーランスのデザイナーとして京滋エリアの寺社広報や文化遺産活用に携わる。最近はWEB制作(デザイン・実装・仕組みづくり)を主戦場としているが、メタバースやVRなど新ジャンルにすぐ手を出す癖アリ。自分が住むまちを十二分に楽しむべく、陽楽の森やまちの「おもしろがり方」を模索中。

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