陽楽連続講座をあらすじ紹介って?
いま、陽楽の森を通して現在における森林と社会の関わりを学ぶ連続講座「陽楽の森から考えるー新常態〈 ニューノーマル 〉の輪郭」が開催されています。林業政策、林学、生態学、土中環境、菌、建築、福祉、政治思想、哲学など毎回様々な視点から森林と社会についての知見が得られる素敵な講座なので、もっといろんな人に知ってもらいたい!と熱い思いを運営者にぶつけたところ、各回のあらすじを陽楽放送局で掲載させてもらえることになりました。こちらで各講座の存在を知って、興味が湧けばぜひ本編に参加してください!終了した回もアーカイブ動画で視聴できますよ。
第2回
林業と技術
ーイメージと実像ー
大住 克博
連続講座の第2回では、林学・森林生態学の研究者であり、森林総合研究所に勤めた経験のある大住克博氏から、林業の技術、生き物としての森林についてのお話を伺いました。国内林業が目指す理想は具体的にどういうものか、その問いかけから始まり林業技術の変遷や特徴について学びながら、林業はまだ発展途上の技術であるという刺激的な切り口で林業を教えてくれる内容でした。安直に「木を伐って植えるのが林業でしょ」という認識だった私にとって、現在の林業形態が歴史の浅いものであるという論点はかなり衝撃でした。大住氏によると「日本の多くの地域において、林業は衰退したのではなく、まだ立ち上がってもない」そうです。
また農業と比較し、林業(森林管理)の技術がどれほど一般化しづらいかというお話はすごくわかりやすかったです。米や野菜は1年で収穫できるのに木は育成に時間がかかる→市場の調整がつかない・育成コストが忘れられる・PDCAサイクルが回らないから改善がされにくい、という図式は、林業が抱える問題を明確に提示されたように感じました。一方地域性や特殊性が高い分、多様なシナリオが生まれ、各環境に合わせた多くのニッチがそのまま種の多様性となり、その多様性が全体の安定を生むというお話は希望に満ちた締めくくりだったように思います。
参加者からは、
「林業は未完の産業というのが印象的だった」
「林業の総体を多面的にとらえることの重要性を学んだ」
「森林管理を社会がまだ理解していないのでは?という問いかけに衝撃を受けた」
といった感想が上がっていました。
この講演はこちらよりアーカイブ動画を購入することが可能です。林業についてのイメージを深めたい方にはすごくオススメの内容です!