陽楽連続講座をあらすじ紹介って?
いま、陽楽の森を通して現在における森林と社会の関わりを学ぶ連続講座「陽楽の森から考えるー新常態〈 ニューノーマル 〉の輪郭」が開催されています。林業政策、林学、生態学、土中環境、菌、建築、福祉、政治思想、哲学など毎回様々な視点から森林と社会についての知見が得られる素敵な講座なので、もっといろんな人に知ってもらいたい!と熱い思いを運営者にぶつけたところ、各回のあらすじを陽楽放送局で掲載させてもらえることになりました。こちらで各講座の存在を知って、興味が湧けばぜひ本編に参加してください!終了した回もアーカイブ動画で視聴できますよ。
第1回
21世紀はどのような時代にしなければならないのか
文明史的観点から考える
泉 英二
連続講座の初回は陽楽の森を管理する大和森林管理協会の代表理事でもある泉英二氏の話で幕を開けました。人口増減の停滞や発展で森林はどう使われてきたか、という文明史的な広い視野から始まる講座は、林業に馴染みのない人でも面白さを感じる内容でした。私が特に面白さを感じたのは、室町から江戸時代の人口推移を教訓に、現代でも、豊臣秀吉的「大きいことはいいことだ」という発展を求める思想ではなく、千利休的「侘び寂び風流」という停滞を許容する思想が必要だという林業史研究家ならではの視点です。
近代で化石燃料の使用による人口爆発(発展期)が起き、その使用量に地球環境が限界を迎えた現在(停滞期)に我々は生きているのではないか、そんな我々には3つのシナリオ(それぞれどんな内容かはアーカイブ動画で是非確認ください)から柔らかい衰退期に持っていく、その時に植物の力がエネルギーとして必要になる。今後重要となるのは経済でなく共同体、大規模ではなく小規模、都市ではなく農村、といった論説は地域に活動の場を求めて移住する現代の若者像とも呼応する話でした。
参加者の感想も、
「歴史的観点(人口推移)で山を考えた事はなかったので勉強になった」
「林業のみならず地域創生全体を俯瞰する思考が素晴らしい」
「今から森林を持続的に有効活用するシステムを築いていきたいと改めて感じた」
と好評でした。
こちらの講座は初回ということもあり、現在無料で公開中です。森林とは何なのかを越えて、「これからどう生きればいいか」という大きな視点で物事を考えるきっかけになる内容です!